姐さん
 最近、周囲の知人幾人かが僕の事を「姐さん」と呼んでいる事に気付きました。「姐さんに聞きたいことがあるんだけど…」という風に知人から僕にメールが来るのです。
 以前から僕を「姉さん」ではなく「姐さん」と呼ぶ人は居るけれど、その人と知人達の間には一面識も無い筈なのに何で「姐さん」なのでしょうねぇ。
 同じ「ネエサン」という読みでも「姐さん」と「姉さん」では豪く意味合いが違って聞こえるのに。

 と、いう話を道すがら年下の友達に話していたら「そういえば、私の家族の中でもケイさんは『ネエサン』と呼ばれてますよ。」と相手に言われてしまいました。
 実家住まいの彼女は非常に親と仲が良く、帰宅すると其の日あった事を親に話すのが常なのだとか。そして、彼女は僕に関する話も「大学にこういう人がいてね…」とよく話していたそうで、頻繁に僕に関する話が出てくる為に彼女のご両親や弟さんは僕の事を覚えてしまい、友達の家族は僕の事を家族内では「ネエサン」と呼ぶようになったのだそうで。
 「でも、多分家で呼んでる『ネエサン』はきっと『姐さん』ではなくて『姉さん』の方だと思いますよ。」と、曇り行く僕の表情を見て慌てて彼女はフォローしてくれましたが、どうも真実とは異なる気がします。

 えーっと…。
 この小さくて地味で一見おとなしそうに見える僕を「姐さん」と呼ぶ人が如何して少なからず存在するのか。
 如何してか、と今度知人を問い詰めてみる所存です。