百握り
 僕が小さい頃、僕の祖母は僕に会う度に僕の両手を握って「この子は百握りだから、きっと将来大きな運を掴むだろう。だから私は安心して逝ける。」と云ってました。
 「逝く」だのとなんつー怖い事を子供に云うんだと今なら思えますが、其の当時は会う度に「百握り」を連発されるので耳タコになっていた僕は曖昧に微笑みながら聞き流してました。

 普通年齢を重ねると手相は変化するものだと聞き及んでましたが、僕の手相は未だに枡かけ(百握り)の侭です。
 手相は本人の努力や環境や能力により変化するとも聞きかじった事があるけれど、僕の努力も環境も明らかに幼い頃からは変化しているのに手相が変容してないうのは如何した事でしょうか。

 僕は運を何処で使い果たしてしまったんだろ。