心遠地自偏
 大学の構内にて二日に一度程度の割合で、あるお嬢さんを見掛けます。
 そのお嬢さんはいつも着物姿で、季節の移り変わりと共に着物も夏ものから冬のものへと変わって行ってました。
 流石、京都に大学があるだけあって古風にも着物姿で来る人もいるのだなぁ。なんて感心してましたけど本当のところはどうなのだろう。
 若しかしたら彼女はただ単に大学の近くの着物の着付け教室に毎日通っていて、着替えるのが面倒だから其の侭着物で講義を受けにきてるだけなのかも知れ無い。

 今日の夕方僕が見掛けた時にはお嬢さんは少し寒そうに羽織の上に更にショールを重ねておりました。
 足元の足袋も冬用のものを履いている様でしたが、周囲の洋服を着たお嬢さん達に比べると随分寒そうにしてました。
 もう、羽織とショールでは寒さを防げない季節になってきてます。