転じた安全最優先、不変の黒幕 山崎豊子原作映画『沈まぬ太陽』240102BS11
 元日の能登半島沖地震、第2日の羽田空港JAL機炎上。そこに、いささかの接点。
 <二度あることは三度ある>の比喩を思い出したくもないが、あってはならない、ことではないか。

 『白い巨頭』『華麗なる一族』。原作も映画でも読んで、かつ観た。
 たまたま『沈まぬ太陽』放映の報を知って、観てみることに。主題がなんであるかは、承知していなかった。
 18時からの放映を前に「臨時ニュース」でJAL機炎上の報に接した。

 一つの偶然にすぎないが。
 『沈まぬ太陽』は『週刊新潮』で、1995年から1999年まで7連載されていたものと言う。
 作者は言わずと知れた山崎豊子氏。社会派として知られているではないか。前二作の監督は山本薩男氏ではなかった、か。
 「アフリカ偏」「御巣鷹山篇」「会長室篇」の構成か。「闘うも、会社の壁」。そういうことではないか。
 残された教訓は「御巣鷹山」を最後に、国内では大型航空機事故に遭遇しなくなった。

 しかし、モデルとなっている航空会社は会社再生を潜り抜けねばならなかった。
 その目は「壁」の存在が、暗示していたように思う。他方で「安全神話」。
 放映放送を前に、羽田空港でJAL機が炎上。どうも能登半島沖地震の災害対策で出発の対象機との接触らしい。

 転じた安全最優先、不変の黒幕 山崎豊子作『沈まぬ太陽』240102BS11

 「弱り目に祟り目」「一難去ってまた一難」 「泣き面に蜂」。負い目の政権に頭痛の種が二粒目。