隔地間交易&地域分業と東蝦夷地 江戸期、農業経済を支えた基盤・構造
 隔地間交易&地域分業と東蝦夷地 江戸期、農業経済を支えた基盤・構造

 17世紀、日本の人口は1000万人から3000万人に増進する。支えたモノは。
 著しい増田、新田開発の結果であるが、他方で木綿、染料、和紙などの原材料となる商品作物=特殊林産物が生産体制に入る。
 18世紀初頭から松前・蝦夷地産品を本州経済と結節するため近江系商人が日本海交易に進出する。

 19世紀。水田が頭打ちになり、幕藩体制は財政危機に直面する。商品作物=特殊林産物を特産品化する畿内諸藩も出現。
 魚肥需要はピークに及び、その供給範囲は蝦夷地の日本海岸から太平洋岸に拡大してきた。
 その基盤と構造を図式化してみるに、掲載図を描いてみた。

 本州経済を支える商品作物=特殊林産物の生産地と、補完する肥料生産地は、いわば<貨幣の裏と表>で同時進行。
 畿内・江戸=蝦夷地と二つの地点を結節する風帆力推進の輸送手段が、存在して成立する<経済の枠組み>が仕上がった。
 江戸時代は太陽・水・土・植物ですべてを賄う<リサイクル社会>。移動手段の動力も風を帆にうけ推進力とする弁財型大型舟。

 日本国土を<畿内ー江戸><畿内ー日本海ー蝦夷地><江戸ー蝦夷地>の路線網を風帆舟で結ぶ隔地間交易のシステム。
 蝦夷地を本邦領土に明確に位置付け、本州経済の消費地市場にも変えた。
 風帆推進の交通手段。少しずつ変化も。22年11月6日ANA=全日本航空は定期路線の一部にバイオ燃料による運航便を設ける、と。

 地球に負荷をかけず。そこに江戸の哲学が再生されようとしている。そうではないか。