「地区の<いやさかえ>と遠矢開拓当時の先人の辛苦しのび」 遠矢神楽舞保存会
「釧路町遠矢地区の<いやさかえ>と遠矢開拓当時の先人の辛苦を忍んで」。
 国道391号に面した釧路神社。そこの「落成御遷宮」にあたり、母郷の福島県相馬郡太田村益田の八坂神社に伝承する神楽を定着させた。

 明治44年に福島から遠矢に移住して牧場を開設した村田久悦という人が貢献する。
 自身移住後30年を経て、太田村から10名の指導者を招き入植者子孫に伝承した。そのように語り伝えられている。

 保存継承地は釧路湿原の東縁部に位置する。
 町外来住者が団地を形成し往時の農村地帯から隣接する釧路市のベッドタウンとして、地域は新しい表情に転じた。
 助成金申請書に今回から、新たな一項目が加わった。
 「地域に小学校の社会科、中学校の2年生の音楽授業において神楽舞の実演と体験ができる機会を作っている」。

 義務教育授業が<地域性>を重視するのは、昨今の重要な柱に加えられたから。。
 平成18年改正の教育基本法では、「学校、家庭及び地域住民等の相互の連携協力」(第十三条)項目が加わった。
 開村後の移住者子孫の家庭より、町制移行後の来住者家庭が圧倒的数量を占めるなか、地域の伝統文化に理解を示す機会を築いている。

 <形の上でも、意味のうえでも共同体の構成員>。
 新開地の新しい住民の結節として、新時代を迎えていることを実感させてくれる。

 「地区の<いやさかえ>と遠矢開拓当時の先人の辛苦しのび」 遠矢神楽舞保存会(守屋忠雄代表)。
 受賞者を代表し、謝辞を述べる務めも果たしていただいた。
 第31回を数える釧根郷土芸能振興基金(石田博司理事長)の活動助成金贈呈式。
 今年も3月21日の春分の日。釧路センチュリーキャッスルホテルで開催された。その一コマ。