『挽歌』&『凍原』で、ともに主題となる「標茶町二股」 作品の舞台巡遊5th 230321
 『挽歌』&『凍原』で、ともに主題となる「標茶町二股」 作品の舞台巡遊5th 230321

 日本東方の一隅で育った女性作家の作品を読む、サークル活動。
 作品の舞台、作家の原点をツアーする3度のフィールドワークに続いては、中央図書館会議室にあつまり作品を検討する第二弾。

 『凍原』の舞台の一つは、青い眼をした男性の遺体が発見された現場。
 男性はなぜ、この場所で死ななければならなかったのか。舞台は整えられている。
 北海道警釧路方面本部女性刑事。ここで「女性刑事」というのも、不思議な気がするも。
 
 そこを「不思議な気」などと申していては、時代遅れなのかも。むしろ「トレンディ」さに注目しておいた方が良いのであろう。
 作品は、殺害された男性の足跡を追い始めるうち、遺体となった男性は自身のルーツを探し求めて樺太に及ぶ。

 作品の舞台となった「二股」地区の東北。釧路川を遡った一点に「二本松」なる地点がある。
 「義経伝説」。広葉樹の多い林相のなかに「二本の松」。そこを表して樺太経由、モンゴルに渡ることをめざした「義兄伝説」の広範な動きの一部を作者は想定していたものか。
 「作品の舞台巡遊5th 230321」では、5月の「塘路・二股巡遊」にあわせて、『挽歌』」か『凍原』。どちらかを読んでおきましょう、と。

 この機会を参加者のなかには「修学旅行」。そう位置づけて、今から楽しみにしてもらっている。