法隆寺・法相宗・唯識 社寺・仏閣、造形の背後にある意味221103
  法隆寺・法相宗・唯識 社寺・仏閣、造形の背後にある意味221103

 この夏、東京・浅草の浅草寺を訪れた。本堂にすすみ<二拍二礼>の拝礼をしている方が多くて、驚いた。
 神社・仏閣と申すと、メディアは優美にして秀麗な堂宇・建造物を紹介する。
  元は天台宗寺院、今や聖観音宗の本山で<二拍二礼>の礼に、不思議なモノを感じる。
 庶民は堂宇・建造物が体現する思想・哲学にも、堂宇・建造物が示す形のもたらす意味については、疎いようだ。

 最近、「唯識 ゆいしき」の意味するところを「すべてを心の要素に還元し」と教えてもらった。その次の句を記憶出来ずに居た。
 しかし、ようやく「心の問題として捉える」(多川俊英著『唯識 心の深層をさぐる』(NHK宗教の時間 日本放送出版協会 2022年)と記憶できるようになった。

 本邦では唯識→法相宗→法隆寺→元興寺→興福寺の系譜をたどる、ようだ。
 高校時代、「南都六宗」の順番を「律・華厳・法相・誠実・三論・倶舎」と今に記憶していた。
 
 ネットで読む限り、その順番はマチマチで表出する。多川著書で判明する点は、まず2点。
 法相宗=唯識、三論=「空」思想。倶舎=部派仏教の一にして「説一切有部」。
 「三論=空」は当該書の27ページ、「倶舎=部派仏教の一にして『説一切有部』」は43pに述べる。

 因みに。南都六宗の現在の系譜。
 律→戒律の研究と実践→唐招提寺。
 法相宗→唯識→興福寺
 倶舎宗→部派仏教の一にして「説一切有部」→宗派として現存せず東大寺は華厳宗、興福寺は法相宗。
 三論宗→世界の姿に実体は存在しない「空」→大安寺・元興寺
 成実宗→『成実論」を探求→大安寺・元興寺で三論宗に付随する現状。
 華厳宗→華厳経に絶対的に帰依する→東大寺。