「マチの動き」「市長選挙」「大型プロジェクト」 市内配布紙の自治体史評価220728.
「マチの動き」「市長選挙」「大型プロジェクト」 市内配布紙の自治体史評価220728.

 釧路市内をはじめ根室国をカバーしている『釧路新聞』。
 その「余塵」というコラムに「釧路市史」のタイトルで、自治体史の紹介があった。
 紹介のポイントは3点あるのだが、読ませていただき<緻密な読み>が示されていた。

 第一は、記載のポイント。
 1)「事細かくその時の市内の動き」、2)「市長選とそれを取り巻く動き」、3)「ビッグプロジェクトといわれる事業の実現までの経緯」。
 そこを第二に、
 4)「詳しく記され」、
 5)「その内容の詳細さを知るとどれほどの苦労があって発行までこぎつけたかうかがわれるし」、
 6)「釧路市にとって貴重な史料であると改めて思い知った」とも、書かれてある。

 それぞれの時期に、「本作りの好きな市職員」が庁内には、居たモノである。
 山本武雄元市長を先頭に、鳥居良四郎、布施正の全盛時代であったし、一世代遅れて寺島敏治、澤四郎などの逸材がそろっていた。
 
 担当部署に配置され、各位に言われたこと。
 「キミ達は税金をつかって、原稿を書く」「本代を払って買い求める本を書く」。
 そう言って、次の言葉が辛辣でもあった。
 「だから書く原稿には、20歳、30歳、40歳の年齢差はない」「部長、課長、係長の職制も関係ない」「要するに一人前の原稿を書け」。
 新入社員には、いさかかキツイ話で、地方自治体職員の仕事は、そんな進めかたなのだ。自身に言い聞かせたことであった。

 自治体史編さん事業には二度、携わった。
 どちらも、域外の識者に委託するのではなく、自前の記載をめざす。
 それが前述のポリシーであった。

 『釧路新聞』のコラム「余塵」。
 22年7月28日掲載、堀口義彦記者の<むすび>は実にマトを得ている。
 「(市史について)市民史料に裏打ちされた地方文化の一結晶」と『新釧路市史』の序文記載を紹介する。
 そのうえで、「そうだとすれば」と展開し、「今後の地方文化はどうなるのだろう」と地域の未来を案ずる。奥深い、<余塵のむすび>と読ませてもらった。