養蚕業三代、年四期の繭ひき 「白き繭の里 群馬県榛名町」NHK210704-1-
養蚕業三代、年四期の繭ひき 「白き繭の里 群馬県榛名町」NHK210704-1-

山頂の稲荷祠にヤマミチを60分。それは女性の役割。
女性が祠に納められた「陶器のキツネ面」を一体、預かりに来るところから年四季の養蚕が始まる。
「災禍=わざわいが 大きく広がりませんように」。かく願い「陶器のキツネ面」一体を家に遷し出荷終了まで奉置する。

群馬県榛名町。
榛名富士-榛名湖-「湖畔の宿」で知られる山麓で、初夏の訪れ共に「桑こき=桑の採取」が作業の幕開け。
横浜開港は、高地におおわれた群馬、山梨そして信州長野に桑の栽培、繭の育成、そして製糸の新産業を土着させた。
稲作に限界、麦・野菜の畑作栽培に林業。間作を補充する位置にあったようだ。

夫婦で桑の枝を切り取る。家では2代目配偶者、初代姑も総出で「クワコキ 桑の葉を枝から落とす」を始める。
改良型回転まぶし。 <まぶし>は「蔟」と書いて「格子状の箱」のことだ。
カイコの上に昇る習性を活かし、格子のマスごとに自分の居場所を見つけ、それぞれのマス目のなかで繭=糸をひきはじめるそうだ。
しかも「回転式まぶし」を綱で吊しておくと、上に昇る習性でマユ内を異動するため、重心が移動し「まぶし」が自動的に回転する、と。

ともかく、手数がかかる。その手を休めると、製品が劣化する。
忙しさを象徴するセンテンス。その一つは「カイコ始まると男がやさしくなる」。その二つ目は「マユが太ると女がやせる」。
女性三代、笑いながら、声をかけあいながら、家業を支える。<支える>より、<担う>が纏 マトを得て「かかあ天下」の源かも。