「何百万の娘たちの精神的な母」 ボーヴォワール210721
 ​ボーヴォワール。シモーヌ・ド・ボーヴォワール 1908~86年 フランスの哲学者。



 21年7月の「100分 de 名著」は、
 第1回 6月28日放送 「老いは不意打ちである」
第2回 7月5日放送 「老いに直面したひとびと」
 第3回 7月12日放送 「老いと性」
 第4回 7月19日放送 「役に立たなきゃ生きてちゃいかんか!」。
 最終回は、
 「各国の社会保障制度や年金制度、高齢者施設の在り方などを徹底的に調査」し、
 「現行の制度では、人間の尊厳は踏みにじられていると批判」

 先駆的な認知症や安楽死への考察などを交え、数少ない理想的な対策の事例を通して、
 「人間が尊厳をもって老い、死ぬことができるためには何が必要かを徹底的に考えぬく」と、しているのだ。

 最後の二点が、強く印象に刻み込まれた。  
 1)晩年に次の記載が、と。
  「書くとは瞬間を救い出すこと」
  「第一が自分の経験を伝達する喜び」「次に言葉で人や事物を永遠化させる喜び」 
  「未来に希望を託していた」。  

 2)PDは「フランスの哲学者エリザベート・バダンテールが寄せた追悼文に心打たれた」とする。
  子どもをもちたいと
   けっして願わなかったこいの女性が
  世界じゅうの何百万の娘たちの
  精神的な母であることはなんという矛盾であり、
  なんという勝利であることか!

 「何百万の娘たちの精神的な母」 ボーヴォワール210721