今は専業ながら 兼業ささえたかモノつくり食器金具 三条市200211
今は専業ながら 兼業ささえたかモノつくり食器金具 三条市200211



 nhkBSPの「イッピン」。2月11日放送の再放送を、録画で視聴。鍬、鋸、鎌など江戸時代ながらの農機具が冒頭に紹介されるも。
 今は、違う。そうフライパン、ハサミ、樹脂製スプーンの工場生産。量産体制にこめられた知恵、工夫、とりわけ軽量化の諸品。

 フライパン。
 「鉄を高熱で溶融して型に流し込み、整形した加工品を『鋳物』というのです」。そうですかー。鋳物の語は承知でも、意味は不確か。それでは、承知とは言えまいネ-。

 成型
 リサーチャーの女性が流し込むと、見事に<すき間>や<欠落>の個所がそちこち。技術者は申す。
 「鋳型を加熱して熱し、流した<湯=溶融した高熱の鉄>が流し込む途中で、『<冷却>しない』ように」、と。
 それだけではなかった。「<湯>を型に流し込むとき、ゆっくりと均等に、渦巻きをつくるように回転させながら、流し込む」。
 そうですかー。見事な成型。

 ハサミ。
 ポイントは微妙にして、等間隔の<わずかなスキ間>」。女性技術者が、ハサミの交叉面を初めは<強く>、のちに<やさしく>たたく。
 そこで、完成。微妙にして、等間隔の<わずかなスキ間>=その差は0.2ミリ」。製品は食素材用ハサミ。肉などなめらかに切ることができる。
 女性技術者は申す。「愛され、永く重宝に使ってもらえるように、愛情をこめて」。「製品にイノチを与える」は、この思い入れか。

 むすびは樹脂製スプーン。
 白いアクリル玉に黒の玉が、ポツリポツリ。これを機械成型して「軽くて使いやすいスプーン」。もちろん、海外輸出用。
 アクリル素材の成型に、柄の太い先端部に近い部分がどうしても窪む。凹状になってしまうのだ。
​​ どうするか。​

 鍬、鎌、鋸。言わば野鍛冶の時は、周囲の農村むけに農林漁業との兼業であったはず。だから、低廉で売れるか売れぬの諸刃を渡りながら、商いができた。

 輸出洋食器産業。
 海外取引の拡大で専業化の道を歩み、折からの円高ドル安は機械化と量産化でしのいだ。そいうことではないだろうか。
 映像は今日、コンピュウター化され道具・技術というより精密機械の領域。そこに「ハサミ刃の等間隔のスキ間」の手仕事。

 再放送は、「有料ネット配信」でと公共放送。
 国民の受信料でなりたち、制作費はどんどん下請け、コストダウンをすすめて蓄積の内部留保は貯まるばかり。
 政権の後押しを良いことに、とれるところからは徴収。政権の御用放送化をめざす。

 どうであろう。視聴者のためのみならず。
 第一線で活躍の技術者の知恵と英知を励ますために、多くの視聴者の目にとまる再放送の機を増やしては。