見城慶和著「夜間中学校は僕らのふるさと」
見城慶和著「夜間中学校は僕らのふるさと」.なくしようとするも、なくすわけにはゆかない.そこに、教育事情の貧困が.

 グレーゾーン.
 夜間中学は制度として認知されたものではなく、昼間中学校の「二部授業」として存在するのだと、言う.

 通学生に時代を反映.
 1950年前後、通学生とは貧困、勤労、複雑な家族に翻弄された.「ラーメン一杯の値段で、一月生活」.教員は給料をもらうと、半分は教え子の腹の足しに、と.

 次には、帰国子女.
 中国からの残留孤児を含めて.漢字の用例に、「生活基本漢字381字」を、創作.
 「基礎」「履歴書」「衣食住」「身体」〔病院」「公共施設」「標識」「交通」「自然」「地理」「職業」「学校生活」「社会生活」「個人生活」.
 「履歴書」に必要な漢字.氏名男女生年月日父母兄弟姉妹住所本籍印履歴.
 なるほど、考えている.
 
 最後は、不登校、登校拒否.
 時代はかわった.中学校の卒業証書をうけていると、入学できない.そういうことなのだ.

 「ふるさと」
 過程にあって親としての責任は果たしていなかった、らしい.
 娘一家で、孫が「母さんとの会話がないの」と申したことをうけて、「ウッカリ、親子の対話がたいせつ」、と.
 すかさず娘は申したそうな.「あなただけには、いわれたくない」.
 「親を〔あなた」は、ない」と言いながら、家庭人でなっかたことを反省するクダリが関心.

 「吉川英治文化賞」.
 勲章には恵まれたが、家庭人ではなかった.「紺屋の白袴」とまではもうしたくないが(日本放送出版協会 2006年10月).