中野三敏著『江戸文化評判記―雅俗融和の世界』
 中野三敏著『江戸文化評判記―雅俗融和の世界』。「江戸の文化」ではあるが「江戸時代の文化」が、「雅」と「俗」の対比で理解していこうとする点に特色があるようである。

 「雅」について「伝統文化」を言い、「俗」とは「新興の文化を指す」(7p)のうえに、この二つはついに「価値の転換はついに起こらなかった」ことを明確にする。

 地方大名の見識。実はそこが思いのほか豊富であって、とりわけ九州で輝く地方の才能を評価している。
 自己の思想と哲学を文筆で知らせる、あるいはその蔵書を通じて見識を世にとう側面は、地域政権の見識として注目されるに違いがない。

 中野氏について先に、岩波新書『和本のすすめ――江戸を読み解くために』にを読んでした。こちらは、肩ヒジをはらずに読むことができて、「いかに」と考えてみた。
 巻末の解説によると、朝日新聞、西日本新聞、毎日新聞などで掲載したコラムということで、長短、文体のリズムも紙面むけのソフトさが感じられる(中公新書 1992年)。

編集 freehand2007 : 島津と家康、前田や伊達など、見ごとな交渉手順。現代の外交担当者に聞かせてあげたいですねー。
編集 ペン : 江戸時代は各藩がひとつの国でしたから完全な独立採算性。ここに独自の発展を遂げるということになりますね。今は中央から軍資金をもらうから地方は中央に媚びますが当時は吸い上げられてももらうことはなかった。まったく逆の構図になってます^^