磯田道史著「内村鑑三『代表的日本人』を貫く精神」
 磯田道史著「内村鑑三『代表的日本人』を貫く精神」。少し古いが『文藝春秋』 2004年5月号に掲載の「特別企画 名所入門」を随時、読んでいる。

 磯田氏が紹介する『代表的日本人』。サブタイトルに「節を曲げなかった人物に学ぶ『幸福な生き方』」と、ある。

 『代表的な日本人』は、西郷隆盛、上杉鷹山、二宮尊徳、中江藤樹、日蓮であることは、著名。
 著者は「彼らは代表的日本人ではなく、『例外的日本人』である」と、書く(275-278p)。
 「例外的」であるかどうかは別にして、本当にそうかとは、考え続けてきた。鷹山、藤樹、尊徳はともかく、隆盛・日蓮をどう位置づける、か。
 共通するのは「良心に生きる姿」であり、それを内村は「美しく描いている」(277p)とする。

 最後に、札幌農学校で同級生であった内村と新渡戸稲造を対比して紹介する(278p)。
 成績優秀ながら、社会での処遇では新渡戸に注目される内村に、磯田氏は「この本を手にとっていただければ、幸いである」と、結ぶ。