百年の形體
 「百年の形體たもつべきや・我やさき人やさき・きょうともしらずあすとも知らず、おくれさきだつ人は・もとのしずくすえの露よりもしげしといえり」。

 蓮如筆「白骨の章」は、無常観を解く名文として、知られる。
 
 本章は、葬儀のあとの還骨法要のおり、せつせつと読み伝えられる。
 書かれたのは、1400年代。21世紀のいまは、長寿社会といわれている。

 百歳をすぎたお方の葬儀も現実にはあり、読誦する僧侶はとまどうのだそうだ。

 百年の形體をたもった方のまえで、「百年の形體たもつべきや」は、事実とあわないのではない、かと。