G.W.ニコル著「サクラと日本人」
 G.W.ニコル著「桜と日本人」は、日本の美意識を代表する桜の定着を都市のなかで考える。 「平安貴族の美意識」(14p)は、江戸にもうけつがれ、家康は京都に負けない江戸の桜を都市計画のひとつに位置づける。ソメイヨシノが江戸で改良され、クローンというなのコピー作品と知った。

 別書で、江戸の都市計画が京都に似ていると知った。たとえば鬼門に延暦寺と寛永寺を配置した点、桜を植えた点。これまた別書の季語成立にも平安貴族のたしなみが、江戸時代に庶民に根付いたと、ある。歌のステージで凝縮されるが、季語の代表、花=桜の定着とともに興味深い。


 堺屋太一著「ニッポン公共事業物語」は、公共事業が「『夢』を叶え(64p)「成功と迷走」のうえに「理想の模索」をめざしているとする(127p)。

 東京に知の集積がすすみ、特定目的施設は東京に、多目的施設は地方にとする分析(139P)は、やはり「マス」が支持することの、なせる技なりや。