意義
 本紙の巷論で筆ふるうM氏がおっしゃるに、「釧路では正月料理の大半を、年越しで食べ終わるからおもしろい」。確かにそうかも。
 子どものころ「寝正月はするな」と、教えられた。他家の神棚にある「歳徳神」の意味を知らなかった。後年、正月とは家をあげての、「神祭り」の節と知る。ために借金はもとより掃除・ススハライで、時間と競争。早起きして神意を敬うべしと。
 年越し・新年を迎える形はうけつがれたが、意味はしらなくてもシグサは続く。イブは盛りあがるも、聖主の誕生に敬意を表する人は多くない。意義、忘却のかなた、なるや。
(「番茶の味」 16156 『釧路新聞』 平成20年7月14日掲載)