意味
 本願寺御影堂。世界文化遺産の瓦惣修復をNHK番組で見た。修復の仕上げは江戸時代からの釘で固定する。素材が捨てがたく、釘を再生、さび止めのあとは茶で被膜する。
 番組は伝える。「寄進された茶につけ、釘を被覆するのです」。「湯の温度は八十度、茶の成分がいちばん溶け出すからです」。
 煎茶をいただくに、熱湯を薬缶から注がれるだけでは味気ない。茶の適温八十度。それは飲用のうえでのことかとおもいきや、工事現場にも生きていた。行為にも、形にも意味がある。たいせつなことは、世代から世代へ意味の再生かも。(「番茶の味」16155 『釧路新聞』 平成20年7月13日号掲載)