「紫陽花(アジサイ)」
 梅雨入りとなって湿っぽい陽気が続いています。そうした中、街角で見かける紫陽花(アジサイ)が雨に濡れて生き生きと咲いているのが印象的で思わず足を止めてしまいます。
しとしと雨が降る中で咲くアジサイの花、まさしく日本の梅雨空の風景ですね。

 ご存知の通り、梅雨時から夏にかけて咲くアジサイは、咲き始めから花の終わりまでに色が変化してくるため「七変化」と言われますが、そのためか花言葉は「移り気」となっています。
今ではこのアジサイの花には、青、白、ピンク、紫、赤、そして緑・・・と様々な色がありますが、本来の日本のアジサイは青だったそうです。

 アジサイについてよく言われていますが、土壌が酸性だと青くなり、アルカリ性だと赤くなります。もともとの日本の土壌は酸性であるため、日本古来のアジサイは青だったという訳です。
幕末から明治にかけて来日した西洋の人々が初めて見る美しいアジサイを持ち帰り、青以外の色の花を作り出したそうですが、元々ヨーロッパの土壌はアルカリ性のため、青かった花が自然と赤っぽ
くなり、そして色とりどりの花へ変化を遂げたそうです。

 アジサイを西洋に紹介した人物として有名なのは、我が故郷長崎の「シーボルト」ですが、彼はアジサイの学名を「ハイドランジア オタクサ(Hydrangea otaksa)」と名づけました。
この「Otaksa」は、シーボルトが日本の愛人「お滝さん(楠本滝さん)」を想い、彼女の呼び名を名付けたそうです。
又、日本初の西洋女医産科医)「オランダおいねさん(楠本いね)」は間に生まれた娘です。