「潮干狩り」
 今日はちょうど新月で、月の満ち欠けを基準にした旧暦(太陰暦)では月の朔日(ついたち)にあたります。
満月や新月の頃というのは、月の引力の影響で潮の干満の差が大きく、潮干狩りには最適です。

 潮干狩りがこの時期に盛んになるのは、外遊びするのに程よい気候ということもありますが、上巳の節句(旧暦3月3日、新暦では今年は3月29日)に穢れを清めるための磯遊びが行われていたことに関係します。
また、潮干狩りには潮が大きく引いた干潮が適しており、3月から5月にけての大潮が1年を通じてもっとも引きが強いということも理由でしょうね。

 ちなみに「大潮」とは潮の満ち引きの差が大きいことを意味し、小さいときを「小潮」、その中間くらいを「中潮」と言うそうです。
新月や満月の前後数日間が大潮、つまり旧暦の1日、15日前後が大潮で、大潮、中潮、小潮、そして長潮(干満がゆるやか長く続くように見える小潮末期)、若潮(長潮の翌日で、大潮に向かって干満の差がしだいに大きくなってゆきます)はおよそ2週間でひと巡りします。

 最近は埋め立てが進み、自然のままの潮干狩りを楽しめる海岸は少なくなりました。
それでも観光として(有料で)行っている海岸では、漁労関係者が養殖のアサリを海岸にまいて来訪した家族を失望させないようにしているようです。

 春を迎え、あたかかくなった一日を、海浜で過ごす風習は全国的に見られます。
潮が引き、干潟に残る忘れ汐(干潟に残った海水)。そこにカニや小魚をみつけた磯遊び。春の日の懐かしい思い出です。