泣かないで
隣の幼子が夜になるとよく泣いている。
父親が言い聞かせても大声でママ!と叫んでいた。

私がお風呂場からその子の傍へ行った時は
泣きやんでいた。ママが帰ってきたのかしら。

看護師のママと我が家に来た時は嬉しそうに
はにかんで笑っていたあの子は三才。

○○ちゃん、笑うと可愛いわね!
もう一度笑ってごらん。

するとげらげら笑いだし、私に話しかけてきた。
ママが居ない時も泣いちゃ駄目よ。一言私が言った。

私も幼い頃、お店が忙しかったから仕方がないけれど、
母に抱かれた想い出は余りない。

7歳の頃に下ばかり向いて歩いていたから
苛めっ子に頭に石を投げられ痛かったわ。

この年になっても泣き虫は直らず、
後悔ばかりを背中に背負い、
我が愚かさを責めたりする。

時おり、何の為に生きているのだろうと思う。
お魚の形をした白い雲が何個か並んで西へ走る。

蝉達は賑やかに合唱し、
水田の苗も大きく育っている。

親友宅から我が家に帰る途中、暗雲立ち込め急いで歩く。
青々と伸びた水田の苗が風にさらさら揺れていた。

いつでも大声で笑い大らかな親友に会い、
パワーを貰ってきた。

その反面、細かい点まで気が付き私には姉のように優しい。
久しぶりに優しい方に出会い、眼がうるんだ。

アルミガラスの上に雨粒がぽつぽつ落ちて、
水晶のように光っている。

これからは、心の鍵を少し開けて胸を張って歩こう。
気持ちを楽にして苦しみに出会っても笑顔で歩こう。

編集 sakura1205 : もしかして、近所の親友の事かしら。
編集 sakura1205 : 杏ちゃん、こんばんは。何時もありがとう。素敵な人って杏ちゃんの事ですね^^*
編集 : 杏もいつだってsakuraちゃまの味方だよ~^^
編集 : そうだよ、sakureaちゃまには素適な人がついてるんだから^^