春の雨



しとしと静かに春の雨が降る日が多くなり、
うとうと目覚める午前6時には辺りが明るくなった。

冬季は晴れの日が多く日差しが多い分暖かく、
農業の方達は水不足だったのではと心配をする。

春に三日の晴れは無しの言葉どうり三日も晴れる日は少ない。
今週は、思い切って口腔外科で奥歯の抜歯をした。

昨年晩秋から歯科に行くのが嫌で我慢をしていたが、
抜歯がこれほど楽ならもっと早く行けば良かった。

目を閉じてうとうとしている間に麻酔の注射を打って
その後再び注射を打っても抜歯をしても全く痛みなし。

自宅に帰る頃にぽつぽつ小雨が降り出しても、
傘も差さずに処方箋を出してくれる薬局迄歩いた。

周りを見ても若葉や草で青々とし緑の風が頬を撫で、
黄色やピンクのハイビスカスがそよそよ春風に踊っていた。

今日は朝から土砂降りの雨がざあざあ降って、
日中、開けてある窓から風に乗って部屋に入ってくる。

これから先の事を思えば、この空のように心の雨雲を晴らせない。
晩春に我が家に帰った後、一人でどうして暮そうか。

来る日も来る日も雨や曇りでは心だって雨雲になってしまう。

そんな時、富士山の見える我が家の近くの川沿いに咲いた桜が、
どんどん散って花筏となり、海に流れていく光景が脳裏に浮かぶ。

今年も桜に出会うことができなかった。
仕方がないわ、寒い冬に耐えなければ桜を見られる訳がない。