坂道 
日中は日差しが強く街中を歩いていても半袖で丁度いい。
近くにスーパーがない為、コンビニを探しながら坂道を降りて行った。

すると中年の奥様と顔が合ったので、コンビニの有る場所を尋ねると、
親切に教えて頂き、お礼を言えば「どちらの方ですか?」
尋ねられ、住所を簡単に答えた。

その方は家で主婦業だけをしていた時はごろごろしていたが、
パートに出てから身体の調子が良くなった事を話してくれた。

道を尋ねても誰でも親切に教えてくれるが、デパートで買物をする時、
「会員カードは?」すると隣の方が嫌な顔をして
「旅行の方だから。」と相手の方に首を横にふっていた。

お店で働く人は利益をあげなければならない為、少しでも損する事はしない。
私の高熱は下がったものの、咳が止まらず鼻水も絶えない。

でも、落ちた体力をつけなければと坂道を歩いたりして、
沖縄の人達の住まいや会話を耳で聞いて覚えようと思う。

夕方、港街を吹く風はすっかり秋めいてきた。
十階に住んでいるので差ほど空が高い感じはしない。

同じ沖縄の人でも住んでいる場所に寄って生活の考えが違うと聞いた。
「咳を止めるなら山羊のお味噌汁を飲みなさい。」と言う叔父さんも居た。

色々な事を教えてくれる人達の気持が嬉しくて
お礼を言って帰って来た。港街にネオンが灯った。