冬の雨 
静かに雨が降る中を午後1時に我家を走って出て行った。
毎日のように外出もせずに、室内で座っている人から離れたくて

買物がてら外に出た。「お父さん、××さんは何故、降りて来ないの?」
「いいんだ!」父娘の会話が聞えたが静観していた。

私の足は、知らぬ間に友達の自宅に向き電話もせずにお邪魔してしまった。
コーヒーとロールケーキを頂き、姉のような友達に甘えて夕方に帰宅すると

再び、自分の部屋に入って暫くした後、居間に降りて来た。
静かな雨は、やがて土砂降りとなり、大地を潤し樹木を潤してくれる。

主人は、昨日から、スノコを作ったり寸法を測りながら大工仕事を
していたので、心の中で謝りながら夕食の支度をする。

深夜になると、雨はぽつり、ぽつりと静かに降る雨音に変わり、
入浴した時、お風呂場の上から雫が私の頬にぽつりと落ちた。

二日前に大雪に入ったが、今日の雨は暖かく冬らしさを感じない雨だった。