夢から目覚め 
「お母さん、私を家に置いて行かないで!」私は夢を見ていた。
両親はお仕事の為に、三才の私と姉を残し経営するお店に出勤して行った。

そんな昔の泣いていた夢を見ていた。気が付けば午前5時半になっていた。
寒い!と気付けばお布団も掛けずに

身体を丸くしていた自分に気付き、洋服に着替えて台所に降りて来た。
部屋の中まで風がすうすう入ってくる肌寒い朝となる。

朝は日毎に肌寒さが増し、半袖ではいられず長袖を着用する様になった。
昨日の日中迄は扇風機を使うほど蒸し暑かったが

もうあの夏のような暑さは戻らないと思う。
玄関を開けて外に出れば、灰色の空と薄青い空が入り交ざっている。

薄青い空と同じような色に富士山が立ちはだかり、山々も色淡く、
冷んやりした風に紅葉が、薄っすらと一片、二片、赤くなる気配がした。