静観する日々
曇ったり、晴れたりの天気が二日続いた。
日中の汗ばむほどの夏日の差す中、用足しから帰ると

昨日に続き、主人が慌しく掛かってくる電話応対に出る度、
家を出たり入ったりしていた。

慌てようが普通では無いので、何かが有ったと思いながらも、
私に隠している為、何か有ったの? 一度、聞いただけで

「お前には関係ない!」怒る顔を見て、二度と聞くまいと様子を見ていた。
次女には、話していたので、何故、妻の私に言えないのか、と

腹立たしく思ったが、ショックな事が起きた事を彼の動きで悟った。
言いたくない事は、聞かないけれど、彼は、相当、疲れきっている。

午後、私がバイトから帰って来ると、次女に昼食を作った後片付けまで
彼がしてあげている。三十路の女性が起きてくれば開口一番、

「お父さんは?」と探している姿を見る度、頼って生きている事が判る。
父娘の絆は切れないと思うが、妻の立場の私も、主人を頼っている。

親離れ、子離れできない父娘の間で、私は、黙々と夕食の支度をしたり、
洗濯物のアイロンを掛けたり、家事をしている。