梅干縷言
 祖母が作っていた梅干の作り方を母から久しぶりに聴きました。
 何だか色々僕の記憶にある手順と多少違っていたので、忘れる前にここに書きとめておきます。

1.まず、収穫した梅を水洗いしてごみをとる。灰汁もとる。

2.水洗いした梅はざるに移して水気がなくなるまで陰干しする。(ざるは予め洗って汚れをとり、直射日光に当てるなどして殺菌しておく。)

3.表面が乾いた梅と梅全体の一割の重さの塩をビンに入れて混ぜ、梅の三四割の重さの重石を上に載せる。塩の量と重石の重さは厳密に量るべし。(梅干を漬け込むビンの内側は予め日本酒に浸した布でよく拭いておく。)

4.梅が全部浸るくらいに梅酢が出てきたら梅だけを出してざるに移して陰干しして、乾いたらまたビンに戻す。これは三~五回くらい繰り返す。(梅酢のついた梅干はざるにくっついてしまうので数時間おきに引っ繰り返すなどして工夫する。)

5.カビが発生していたらカビがついた部分を出来るだけ捨て、梅は陰干しして乾燥させ、ビンも煮沸消毒して日本酒で拭く。梅酢は鍋に移して沸騰させて消毒し、灰汁が出たらとっておく。梅酢はよく冷ましてからビンに戻す。

6.陰干しを何度かやり、梅が程よく漬かった(と思えた)ら、紫蘇を投入する。よく洗ってから水気を切った赤紫蘇を塩でよく揉み灰汁を絞ったのを塩をつけた侭梅干の間に挟み込む。

7.梅干が紫蘇で赤く染まったら、七月頃の晴れた日に梅干をざるに移して天日干しして乾いたらビンに戻したら終わり。

 この手順で作れば塩味のきついカリカリの赤い梅干が作れる筈。
 梅干に使う梅は熟した大きな実でなくても構いません。