一日一枚
 実家から持ってきた本を開いたらクローバーの押し葉が出てきました。
 他にも銀杏や楓や紅葉の葉の押し葉が何枚か出てきました。
 
 その本は僕が小学生の頃に買った岐阜の昔話を集めた本で、僕は本の話の区切り区切りに自分で作った押し葉を挟んでいたのを思い出しました。
 その頃の僕は葉や花を集めて押し葉や押し花にするのにはまっていて、一日一枚以上と勝手に自分で目標を決めて綺麗な葉を見付けては家に持ち帰り押し葉にしてました。
 本から出てきたのはその頃の押し葉のようです。
 
 今思えば何故あんなに夢中になっていたのかわからないけれど、押し葉で作った栞が千枚を越えるまで飽きずに押し葉を作り続けてました。
 千枚を越えたあたりから作るのを止め、綺麗な葉を捜すのを止めました。
 
 あの頃、「綺麗」だと思って集めていたものはみんなそれぞれのあるべき場所にあったからこそ綺麗だったんだな。
 今ではそう思えます。

編集 佳馨 : やってみると結構あっという間に集まりますよ。
編集 e.t. : 千枚とは根気強い