情報技术
 何かが食い違ってきている気がしてなりません。

 1981年頃にNTT系列某社から次世代通信手段の宣伝として公開されたある画像をもう一度見たいと思って探しているのですがなかなか見付かりません。
 映像の長さは10分前後。
 その内容は自宅の一室でインターネットを介して仕事をしていた父親が、娘の書いたお絵描き画から発想を得て、オリジナルの商品を開発し、商品のひとつを娘へ誕生日プレゼントとして贈るというものでした。

 インターネットや薄型モニタ、IP電話(としか思えないネットを介したTV電話)、インターネットを介した在宅勤務制度、3Dプロジェクター、人工知能を組み込んだぬいぐるみ、などなど。
 当時にはまだ一般に存在してなかったものが当然のようにその映像には日常のものとして登場していました。
 まだARPANETがTCP/IPを採用する前に、その宣伝映像はその先を行く未来生活を華やかに紹介していたのです。

 僕がその映像を見たのは1990年以降でしたが、見た時はっとしました。
 その映像が示した未来では、最新技術によって労働者はより多くの時間を家族と過ごせるようになり、ITは人と人との結び付きを強めこそすれ弱める存在ではありませんでした。

 なのに何処で食い違ってきてしまったのでしょうか。
 最近TVによく登場するIT企業社長達の意見を聞く限り、彼らが提供するつもりでいる未来はあの映像が描いた未来とは異なる未来の延長にあるようです。