嘆観止矣
 ニュースを見る度に温泉問題が目に付きます。
 温泉問題関連のニュース見る度に、高校の夏に行った温泉付き林間学舎の様子を思い出して気持ちが沈みます。
 高一の夏、学校行事で上宝村にある林間学舎山の家に泊まった時の思い出は…今思い出しても気が滅入ります。

 昭和43年に建てられた母校の林間学舎は、八階建ての概観を持つ硫黄温泉付きの宿舎でした。
 昭和43年に建てられてから現在迄林間学舎は同じ場所に存在してますが、改修されたという話は聞いた事がありません。僕が憶えて居る限りでは林間学舎の建物は古く、コンクリートの壁はかび臭く、場所によっては人間の形にシミが浮かんでいました。
 建物は外から見ると「八階建て」のようには見えましたが、中に入ると八階まではありませんでした。二階建てか三階建てだったと思います。遠くから見ると大きく見えたのに、近付いてみると余りに小さかったのでショックを受けた覚えがあります。
 そして、学舎が建つ土地は崖っぷちで、山崩れが起きれば真っ先に崖下の川に建物毎転落しそうな傾斜地でした。
 更に、一応地下に温泉もついていたのですが…確かに温泉が沸いては居ましたが…浴場には浄化設備も何も無く…「かけ流しの天然温泉」といえば聞こえはいいけど、単に硫黄臭い温泉水を垂れ流しているだけのものだけでした。
 温泉水で身体を洗うと硫黄臭くなるからと水道水で―風呂場ではお湯は温泉水以外出無い―身体を洗っていた女の子も居ました。僕は余り気にせずに其の侭温泉水で身体を洗ってましたけどね。
 
 温泉や建物以外にも色々とその林間学舎では思い出があるのですが、もう思い出したくないので割愛。
 てか、建物が何階だったのか確認しようと検索してたら、わざわざOBの特権を活かして林間学舎に泊まった先輩達の記録を見付けてしまいました。
 母校の出身者は林間学舎を借りる権利を持つと聞いてはいましたけど、実行している団体があるとは…。
 
 僕の代にはもう幽霊屋敷と化していた林間学舎だけど、約三十年前に卒業した先輩達の時代にはまだ建物は綺麗で、学舎の思い出も美しい形で残ったんだろうなぁ。