打抱不平
 何年か前の事です。ある地方のある業界関係者にこんな情報が行き渡りました。
 情報の中身はとある少年の家族の一部が其の地方の一つの学区内に引っ越したというものでした。引っ越した家族が使っている名前や住所や、とある少年の弟が転校した学校名までもが伝わってきてました。
 それらの情報が事実であったのかどうか、真実を僕は知りません。ですが、其の家族が其の地域に関わりの全くない別の地域に引っ越す迄、其の業界で密やかに警戒態勢が取られていたという事実は知っています。

 「児童殺傷の男性仮退院」という報道を今日はもう五回以上見掛けました。
 1997年に14歳であった少年は今はもう21歳。
 かつて少年だった彼を待ち受けるのは自分達の身を守る為に異端物を排除しようと加害者と其の家族を拒む社会なのでしょうか。それとも、受け入れる社会なのでしょうか。
 今の日本が「弱きを助け悪しきを挫く」なんて勧善懲悪の社会で無い事はよく判ってますけども。被害者も弱者だけど、加害者の家族も弱者である事を忘れずに、全ての弱者に助けの手を差し出せる社会にはならないものでしょうか。