褒めて欲しいのは地味さ加減
 「君は何時も格好良いね。」
 何故か会う度に僕にそう云うお嬢さんが居ます。

 「ああ、確かに君は格好良いですね。」
 僕は毎回引き攣った笑顔を浮かべて彼女の僕への評価を僕の彼女への評価に摩り替えて違う話題に移してしまいます。

 彼女が「格好良い」と思うのは僕の生き方と周囲と異なる服の趣味であるらしいです。
 隣の芝は青く見えるものですよ。
 僕の生き方は決して褒められた生き方では無いし、僕の服の趣味は他人と同様に地味に目立たぬようにしようとして失敗しているだけなのですから。

 てか、僕は着用衣服代金が合計10万軽く超えてるお嬢さんに「格好良い」と謂われる格好した覚え無いです。
 それ以外に会話の取っ掛かりがない人だと思われてるのかな。