語り過ぎ
 今日乗ったタクシーの運転手の話箇条き。

・もう少し経つと京都は観光客でいっぱいになり、道路を走っていても前の車が次に何処に行くのか予測出来なくなる。急に本来曲がるべきではない車線で曲がろうとする車もよく見掛ける。
・京都産業大学の学園祭は芸能人を多く呼ぶ。大学から京都駅に芸能人を迎えに行きまた大学に戻る、といった依頼が幾つかあったらしい。
・車の外がどれだけ寒いかは道を歩く人々の表情で判る。
・夏でもどれだけ暑いかは表情で判る。
・夏の暑い盛りの時期に重たそうな鞄を汗を掻き掻き顔を真っ赤にして運んでいたスーツ姿の中年男性が後ろを振り返り振り返り歩いており、タクシーに乗りたいのかと思ったが何台もタクシーが通るのに見送るだけで呼び止めない。何だろうと思ってスーっと横付けしてドアを開けたらしっかり乗り込んでくる。話を聞くと酷く暑いし荷物は重いのでタクシーに乗りたかったのだが行き先が余りに近くである為タクシーを止めるのを躊躇っていたのらしい。
・清水寺付近の店でこの前叶姉妹がきていたらしい。人だかりの中に外人が見えたからトム・クルーズかと思ったが後で週刊誌を読んだら外人の御付きを連れた叶姉妹だった。
・直ぐ横を走ったバイクのおねぇちゃんは手袋を嵌めずに素手で寒そうだ。
・バイクに乗る時にゴム手袋でも何でも良いから手に一枚嵌めていると事故の際の指切断を免れられる。
・出血多量の事故の場合、救急員は先ず指が全部付いているか如何かを確かめる。

 そんな話は如何でも良いから僕は彼にもっと早く目的地に辿り着いて貰いたかった。