貴女にもう何もしてあげられ無い
 ある人からメールの返事が着た。
 憎しみに染まるでも無く、哀しみにくれるでも無く、唯々優しさ溢れる其の手紙の文章は最初から最後迄僕への思い遣りに満ちていた。
 僕が彼を知る切欠になった彼女はもう居無いのに、彼女を失った日が巡ってくるのに、彼はかつて彼女がそうしてくれた様に優しい言葉を掛けてくれた。

 何だか今酷く悲しい。追い詰められた後だから、余計に優しさが心に沁みる。
 
 TVを見ていると去年のテロに関する特集を少なからずやっている。
 亜米利加はテロを予測していたのに、と亦憎しみに変わりそうな複雑な感情に支配されそうになる。