高不成低不就
 痛い、胃が。其れ以上に胸が痛い。
 酷く溜め込んで悩んで僕に相談してきているお嬢さんに大した言葉を掛けて遣れない自分が情けないです。僕に電話迄掛けて相談するなんて本当に末期状態なのだと僕にも判るのに、僕は何もして遣れ無い。其れが歯痒くて仕方無い。
 
 ある特定の女性を完全排除する方法は実は至極簡単なのに実行出来ずに居る。
 去年の其の女性にとっての僕の存在と今のお嬢さんにとっての其の女性の存在が同じであるかの様に僕には思えてしまうから。違うのは僕は其の女性の厭味を受取り対象物と距離を置こうとした事、其れだけ。
 
 如何してあの女性は距離を置かないのだろうか。そして、如何してあの対象物である人物はお嬢さんでは無くあの女性の方を尊重し様とするのだろうか。
 考えれば考える程お嬢さんにうまく「大丈夫」と謂えなくなる僕が居ます。