操り人形
 「何でそんな事を訊くんだよ!」とつい携帯画面に向かって叫んでしまった。
 周囲の女性達に冷たい視線を投げ掛けられ我に返ったけど未だに頭の中で前記の台詞が回っている。
 
 誰かに騙されている気がしてならない。
 今の僕は誰かが下で糸を引張っている薄っぺらい紙の上で糸の先の人形に惑わされて右往左往しているとしか思え無い。
 
 全ての糸の先を辿って行ったら僕は誰に辿り着くのだろうか。あの暴走しているお嬢さんだろうか、僕が未だに好意を持つお嬢さんだろうか、反れとも僕の分身に行き着くのだろうか。