半影月食
 二十六日は十五夜で半影月食のある日だから、夜は月が薄く陰る様を見乍散歩をする心算だったのに。
 気付いたら雷が鳴り、雨が降り…それでも意地を張って出掛けたらマンションの塗り替え中のペンキの匂いで今も頭痛がする。

 心配して友人が掛けてきた電話は取り込んでいるからと即座に切った。
 反省してメッセの禁止を解除したかと思ったら解除した行為自体を悔やんで再禁止。
 誰かを邪険にして部屋から追い出した事を謝ったかと思ったら亦別の事で当り散らした。

 雷光が走る様は美しいけれど、月の如く僕の苛つきを抑えてくれる訳じゃ無いんだ。