少雪寒冷の冬、日照不足に湿潤低温、劣悪を示唆の自然環境 厚岸町上尾幌・尾幌担当区界 釧路営林署210920
 少雪寒冷の冬、日照不足に湿潤低温、劣悪を示唆の自然環境 厚岸町上尾幌・尾幌担当区界 釧路営林署210920

 
少雪寒冷の冬、日照不足に湿潤低温、劣悪を示唆の自然環境 厚岸町上尾幌・尾幌担当区界 釧路営林署210920

 『釧路営林署 開庁60周年』を偶然にみつけて、内容の点検。思い知らされる劣悪を示唆の自然環境。
 水産資源に配慮した「防霧林」「魚つき林」「土砂崩壊防備」の重要な役割を指摘(14p)するも、自然環境の厳しさ、劣悪さは事実。
 他方で寒冷地、日中気温の寒暖差が生み出す「質の差別化」はそれほど明確ではないうようで。経営環境の厳しさをうかがわせる。

三、管轄区域ならびに機構
 (管轄区域)「釧路市、釧路村、鶴居村と厚岸町尾幌、上尾幌地区、標茶町阿歴内塘路地区など十九万六千ヘクタール」
 (国有林面積)「釧路市四ヘクタール、釧路村六千七百五十四ヘクタール、厚岸町四千百六十七ヘクタール、標茶町千四百七十二ヘクタール、鶴居村一万三千八百十二ヘクタール、合計二万六千二百八ヘクタールであり」「釧路団地、雪裡団地にそれぞれ一万三千ヘクタール前後分布している」。
 (機構)「釧路、上尾幌、尾幌、昆布森、幌呂、雪裡第一、雪裡第二の七担当区事務所」
     「上尾幌・雪裡造林、雪裡苗畑、上尾幌製品の各事業所を置いて実行している」(12p)
 
(1)地況
ロ 水系
「釧路団地には尾幌川が厚岸湾に注ぐほか、釧路川支流の別保川があるがいずれも水量は少ない」。
ハ 地質土壌
 「(釧路団地)昆布森は、上尾幌は白亜紀、上尾幌阿歴内の第四紀、尻羽岬の古第三紀よりなるが、いずれも火山灰が覆い、土地母材となっている」。(14p)
ニ 気象
 「南部は海岸性気象であるが、海岸近くでは四~九月まで海霧が発生し、霧日数年百十日におよぶので日照時間が少なく湿潤低温で植物生育を阻害している」。
 「冬期は積雪少なく晴天が多いが風と寒気のため冷涼で土壌は森林内でも凍結する」。
 「そのため寒風害の危険が大きい」
   『釧路営林署 開庁60周年記念誌』(昭和43年 釧路営林署)