地域再生の10条 吉本哲郎著『地元学をはじめよう』(岩波書店 2008年)
地域再生の10条 吉本哲郎著『地元学をはじめよう』(岩波書店 2008年)。

1)地域は<地域が水でつながっている>を見落としていた。
2)<ヒトが自然に近づきすぎ>て、自然の復元能力(自浄力)を超える負荷を環境にかけ続けた。
3)公共投資で水俣の自然は復旧したが、市民の間に生じた不信・不安・対立や差別は解消しなかった。
4)水俣市長が「もやいなおし」を宣言、市民間の差別と対立を修復する取り組みが全市に広がった。
5)<不信・不安・対立や差別は解消しなかった>理由は「調べる力、考える力、創る力が衰えている」点にあった。
6)「ものづくりや地域づくりはイメージする力」による。
7)地域にあるモノをつなぐ、つないで意味を造る、意味をまとめて付加価値を創出する。
8)「地域まるごと博物館」や「地域資源マップ」の取り組みを通じ、地域再生の取り組みが全市に広まった。
9)「課題解決では間に合わない、付加価値を創る」をめざす。
10)「対立のエネルギーがあれば、付加価値を創るエネルギーに変える」。

「人は絶望とウラミだけでは生きられない」、「人様は変えられないから、自分がかわる」という主張もある。
「我がコト」「自身のコト」。地域再生にかける熱意はどの地域も高い。確かな成果を残すためのポイントか。
(吉本 哲郎著『地元学をはじめよう』 岩波ジュニア新書  2008年)。