後継者育成へのさまざまな形を高く評価 釧根郷土芸能振興基金第30年時助成金贈呈-2-
 後継者育成へのさまざまな形を高く評価 釧根郷土芸能振興基金第30年時助成金贈呈-2-

 釧根郷土芸能振興基金(石田博司理事長)は2022年3月19日午後、釧路センチュリーbホテルで、「活動助成金贈呈式」を行った。

(保存伝承活動助成団体)
風蓮湖太鼓保存会(昭和59年6月創立)
 地域の祭祀や文化祭の演奏に加え福祉・教育機関での指導に取り組む。保育園では発表に向けての演奏指導、小学校で総合的学習の発表会指導、中学校では選択授業で指導を展開。後継者育成が地域ぐるみとするより、さらに一歩進めて継承システムが公的に確立。

ねむろ太鼓保存会(昭和48年3月創立)
 地域の伝統芸能である祭囃子から発展して、新しい太鼓芸能が発祥。「北方領土返還」をテーマに本土最東端の納沙布岬で「元旦初詣」などの催事を実施。全国的にも「日本最東端」を発信する活動への注目を集めて創立50周年を迎える・

(発表会参加助成団体)
北海道くしろ蝦夷太鼓保存会'(昭和42年4月)
 和太鼓を素材にした北海道では先駆的な芸能太鼓団体。「北海道の大自然のなかに生きる人々の生産と生活、そして祈り」が、演奏のテーマ。釧路市文化賞、北海道文化賞、国の地域文化功労者として文部科学大臣表彰をうける。国内外で演奏実績をもち芸能太鼓の世界で研修や団体運営面で指導的役割を担う。

 風蓮湖太鼓保存会のように、園児・小学校・中学校と形はちがっても発達段階に応じて、演奏育成体制のシッカリしている点は、地域の力量として高く評価される。本州の伝統芸能医術の育成で、階梯年齢段階で指導内容が高度化していくことにならい、後継者育成で確固した体制に結実させ、それが地域の基盤産業の後継者育成にも寄与させる点に期待しておきたい。