江戸っ子
 江戸に定住、根生の町人 「江戸っ子」とは210714.



西山松之助氏の定義。
 「18世紀後半に、江戸を自分の生活拠点として定住してきた根生(ねおい)の町人」、と。
 1)木場の材木商、2)霊岸島や新川あたりの酒問屋や諸商問屋、3)幕府米蔵の蔵前にいた札差。
 4)その他、江戸に何代も住み着いた江戸の住人としての江戸町人たち。

 2)の「諸商問屋」には、日本橋の魚岸、京橋の大根問屋、竹河岸の大商人。
 他方で、近江・伊勢・京都・大坂などの出店として軒を並べて大商店となった「他国者の江戸店」に対注し、時にはそれに優越する社会的地位や経済力をもつ存在(p8)。

 そこで、江戸町人の五条件を列挙している。
 5)将軍の江戸城下に生まれ水道の水で育った、
 6)金に執着しない、
 7)乳母日傘(おんばひがさ)で育った高級な人間、
 8)生粋の江戸生えぬきだという根生の土着意識、
 9)「イキ」と「ハリ」のきっぷの良さ、抵抗精神に燃えている、

 5)~9)の条件が宝暦、天明期に「鮮明な人間像をもって登場」した(9p).
西山松之助+竹内誠編『江戸三〇〇年 江戸っ子の生活』 講談社現代新書 1980年。