動物の食べるものを分けてくれている トチノミの成分「サポニン」
 四手井綱英 京都大学名誉教授(林学)は、かく申した、と。
 「それは神様が、人間の食べるものと、動物の食べるものを分けてくれている」。



 問うたのは高野山金剛峯寺の山林部長 山口文章師がまだ、京都府立大学の学部生の時。
 「クリの実はヒトが食べられるのに、同じ姿のトチノミやドングリをそのまま食べられないのはどうしてか」。

 高校卒業後の針路を決めかねていた山口師が選んだ針路洗濯の手引き書は、四手井綱英著『農学部』であった、と。
 「ところが運命的な出会いというべきでしょうネ-」、
 「その四手井 しでい つなひで綱英先生が、一回生の秋に学長で赴任されたのです」。

 赴任した学長は、しばしば学内を歩いていることがあったそうで。いろんな、質問を会うたびにというより待ちかまえて浴びせることに。
 「森林生態学の先生がですよー!!」「学問を究めつけると、そうなるのですねー」。
 「なんと、神様が・・・・」と申して、「大自然は人間ばかりではない、動物も居るのだ」。そう、教えてくれたのです。

 トチノミに含まれる「サポニン」。
 化学成分は、「サポニンの主成分は,エスシンと呼ばれるトリテルペノイド配糖体の混合物である」と、説明されているが。(後述)。

 動物の食べるものを分けてくれている トチノミの成分「サポニン」

 四手井綱英 京都大学名誉教授