敏内・便内 びん・ない 「pin-nai ピン・ナイ」 「えぐれたような沢」
敏内・便内 びん・ない 「pin-nai ピン・ナイ」 「えぐれたような沢」



pin-nai  「←ピン・ナイ(傷・沢) えぐれたような・沢」。
「pinai ピ・ナイ(石・沢)」。

山田秀三氏は恵庭岳周辺の地名「幌美内 ほろびない・ほろぴない」について、「諸地にピナイの名があるが」として、そのあるものは「pi-nai」であり、あるものは「pin-nai」であった、と記する(『北海道の地名』 57p 北海道新聞社 1984年)。

また、支笏湖畔には数個の「pinai ピ・ナイ(石・沢)」が残っているが、とも書く。

検討対象の「幌美内の沢」を上ると「がれ石」だらけでの沢で認められるのだそうだ。
そこから「幌美内」の語源は「pin-nai」でもあり、「pinai」が該当するようでもあるという。「どっちだか分からない」との判断である。

一帯は尾幌分水が厚岸湾にそそぐ出口。

「どれも急傾斜のえぐれたような沢でピンナイの姿である」。その「えぐれたような沢」をめざして、尾幌分水を開削。