滅びの終章=「死者の語るモノ」 『平家物語』最終章200624
 滅びの終章=「死者の語るモノ」 『平家物語』最終章200624



 義経<ひよどり越え>。
 『平家物語』には、そうした「<栄華>を示す部分もある」が、と能樂者の指摘。

 しかし物語の本質
 それは、「滅び」の必然にあり、その要素は「おぼり」にある、と。

 忠恕
 「忠は<心の中>」、つまり「心のなかにいつわりがない私心がないこと」。

 「恕は<心のごとし>」で「他人の気持ちを推し量って同情すること」
 運命時
 「運命」は『文選』の書に出てくる、「運命時」。人の身にめぐってくる吉凶過福

 義径。
 かずかずの武勲をたてるも「政治のリーダーの資質に恵まれず」。
 おごる平家は、
 清盛妻・徳子が娘との間に生まれた安徳天皇を海に沈めて建礼門院を名乗る。
 平家の末裔・
 敦盛は畠山重忠に捉えられるも名乗らず、「首を跳ねよ」の一言
 重忠
 熊谷直実を名乗り、出家仏門へ。

 「祇園精舎の鐘の声」
 この語で書き起こされた一文も、終章を迎える。

 最後に終章を迎えた<むすび>の文は、「寂光院の鐘の音」の余韻。 

 「祇園精舎の鐘の声」で始まり、「寂光院の鐘の音」でむすぶ滅びの文学。