160926 史跡・重要文化財の形


160926 史跡・重要文化財の形
 厚岸町にある史跡国泰寺跡と重要文化財正行寺本堂について、今回は可視化されている部分に読み取ることができる意味を紹介.

 国指定史跡国泰寺跡は、80メートル級の山塊に両脇を固められてできた、谷地形の入り口に位置する.それは鎌倉市の特徴的な地形である<谷戸=やと>にも十分に、対比できる.
 そこから厚岸の位置を、中世都市・鎌倉になぞらえてみた.鎌倉のもつ属性の1)「源氏ゆかりの地」に対しては、「千島アイヌ生活圏」と松前政権の接点、2)「三方を山で囲まれた要害の地」は、「厚岸湾=天然の良湊」と「鎌倉<谷戸>をおもわせる谷地形」.3)「房総と京都をむすぶ中継地」には、「箱館~択捉の中継地」をあてて、みました.

国指定重要文化財 正行寺本堂
 ここには、「越後宮大工の建築作品」の意味を示しました.宮大工は1)伝統的な木組み工法で、軒下や軒先で屋根と躯体を強く結合させています.2)芸術的センスや手先の器用さ、3)木材の特性を見極めて、曲線の美しさを出す.