「高品質を求め、長期割賦販売方式の普及で消費拡大」 素晴らしき高度成長時代.
「高品質を求め、長期割賦販売方式の普及で消費拡大」 素晴らしき高度成長時代.
 『文藝春秋』 2015年2月号の特集.読者の投稿で、426通の応募の中から、35通が選定されたのだと、いう.

 投稿者はもとより60歳以上.高齢では90歳台のお方もおられる.
 「金の卵」世代や、1955年-77年を<ヒラ>で迎えたか、管理職で迎えたかで、違いはあろうがある意味<成功者>が、「良かった」と、回顧する.

 多くが<状況描写>であるなかで、<高度経済成長>の意味を書いた箇所は、山内隆一氏著「風呂敷に包んで売り歩いた炊飯器」という、一文がある.
 「思うにこの販売成果には、高度経済成長を支える要素がひそんでいるように思う」と、その結びは、次のように示される.

 「ひとつは『おいしいご飯』というより高品質をもとめての消費拡大」
 「ふたつ目は、長期割賦販売方式の普及による需要拡大であったとおもう」.

 なかに、これぞ「高度経済成長の明暗」ともいうべき、投稿もみうけられる.
 「田んぼがテレビに化けた日」(65歳 男性)、「北朝鮮へ帰ったチームメイト」(66歳 男性)

 35本の投稿中、女性の投稿は管見のおよぶところ2名、か.

 「田んぼがテレビに化けた日」に象徴されるごとく、離農、向都離村で経営から雇用労働者化が、すすんだ.
 食糧需給率は低下して外国産食糧で養われ、定年制で年金依存者が増加するもその負担を若年者負担におしつけて、「少子高齢化」と言い続ける現象への、反省も課題も顧みられていない.

 案外、以上のような見解は、表にでなかった391本のなかに、あるのかも知れないが.
 経済総合誌のある意味、制約なのかも.