波紋 STAP細胞
波紋 STAP細胞.「喝采から断罪」.そうした見出しで、「博士(30)」とされる女性に再度、衆目があつまっている.

ノーベル賞受賞学者が、「徹底的に教育し直す」とも、会見で述べた.
人文科学の世界では、想定しがたいほどのなかなか困難な業績が、うら若き年代の人によって達成された.
いっときは「おみごと」の、称賛が押し寄せた.
いま、その成果にいくつもの疑問が寄せられている.他者の業績を「複製して、貼り付けた」とする、「コピー&ペースト部分がある」とする論もみうける.

組織内の、とりわけ周囲の研究者は、これまでどのような関わりをもってきたのであろうか.
「他人の話に耳をかさない」.そうした、思いはなかったのであろうか.特に直近の上司のなかに.

老研究者は嘆く.これは社会科学の領域での談話として、聞いたことがある、が.
「最近の学部卒業生の卒業論文を読んでいると、研究史をまったく視野にいれていないんだねー」.
「指導する教員が、研究史を等閑視しているからね」.
「新発見、新事実と騒ぎ立てるが、他人が聞いたら『すでにわかって居ること』を『本人たちが知って居ない』ということが、たくさんあるんだよ」.

自己否定の経験がない.挫折をしらない.議論をしない.自説に固執、ゆずらない.

芥川賞作家であったか、直木賞作家であったかが、対談した.「昔は『論壇』とうほど、作品をめぐる論争が制作過程であった」、「このごろは議論をしないで、すぐに市場に出てしまう」.

このたびのケース.そもそも学位論文に瑕疵があるらしい.そうなると、学位も剥奪されるのでは?.そうすると、虚偽の業績で採用したことに誤り、がとはならないか.

「聞くはいっときの恥、聞かぬは一生の恥」.現実味を帯びてくるような、気がする.

編集 ペン : 真実はまだ闇の中ですが確かに今の方は思い込んだら耳を貸さないと言う傾向が見られますね