財力 胴海舟船&川崎舟
 財力 胴海舟船&川崎舟。前浜漁業で回遊魚を漁する東北出身漁業者の漁船を胴海舟と整理しておこう。動力は櫓である。

 4-5里さきの沖合に出漁し、通年にわたり生息する定棲する資源を漁獲するの越後出身者が導入した川崎舟である。動力は櫓もあるが主力は一枚帆に風力をうけての帆走舟。

 どっちに元手がかかるの・、聞かれた。答えに窮したが、その違いは江戸時代の、越後と東北の米の付加価値の違いと考えることにした。

 微妙ではあるが、前浜数百メートルの地点で操業する漁業と、沖合数里に出かけて漁業をしながらも、鮮度に差異なく漁業で肩をならべていく経済的根拠はといえば、それは微細なのかも知れない。

 ただ、わずかに越後漁業者の生産力をささえていたもの。そこになると、越後の米出荷をマーケットにもつ漁業者と東北の米作りをマーケットにもつ漁業者にとって、背後圏の経済力。それが決め手になったのではと、思いめぐらしてみた点ではあるが。