譜代結合
 譜代結合。徳川幕府の家臣団構造の中軸を示すものらしい。
 かでも井伊家は譜代筆頭。会津・彦根・高松は、東北・琵琶湖・瀬戸内の軍事上の要点であった、か。

 城の陣容も興味深い。御座に将軍、御用部屋に老中職の大臣クラス。
 弐之間に会津・彦根・高松が占めて、ここから大老が輩出されると、溜之間で大老は執務。
 大廊下に御三家が控えるもこちらは執政に口をはさまず。大広間に外様の大名。
 
 列強の開国要求。
 阿部は幕政の改革をすすめる。門閥という伝統的な家職制度に、能力主義で分析力、構想力、交渉力、外語駆使力。

 学者はいう。
 伝統的な門閥という血脈主義なら、職務にともなう責任は周囲の者に分散される。
 しかし、能力主義だと選ばれた者自体に責任が収斂する。いろいろあるが、将軍継職で南紀派は伝統的血脈主義、対する一橋派は能力主義。

 本来、近い距離にあった斉昭と直弼。「戊午の密勅」は決定的対立を持ち込み、「流血」に動き出す。